カタルーニャ派/Románico Catalán

カタルーニャには、957年というわれわれが知る最古のロマネスク様式による、基石から架橋まで、すべて石でつくられた教会堂がある。サン・エステバン・デ・バニョーラス(S.Esteban de Bañolas,Gerona県)とサンタ・セシリア・デ・モンセラ(Santa Cecília de Montserrat)がそれである 。いずれにしても三身廊形式で火災にあった後の再建にある。
アストゥリアスのトンネル・ヴォールトがむしろ単発に散華してしまっているのに対し、カタルーニャではブルゴーニュのウイリアム に匹敵すべく、オリーバ(Olivaまたは Oliba、971年頃〜1046年)によって、これが継承され発展されていくだけの機会に恵まれていた 。
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奇岩の聖地モンセラの中腹にある、サンタ・セシリアの教会堂
2001年9月11日撮影

サンタ・セシリア Santa Cecìlia
建築年代は957年。カタロニアでは西ヨーロッパ諸国に先立って、架構を含め全て石で積み上げられたロマネスク様式の会堂が2堂奉納されたことが記録されている。その内のひとつがこれで(もうひとつはバニョーラスBanyoles〈Girona県〉のサン・エステバン教会Sant Estevaだが保存状態はサンタ・セシリアの方がよい)、1928年モデルニスタ、プーチ・イ・カダファルクJosep Puig i Cadafalchによって修復復元され当初の姿をよく留めている。現在の教会の位置に942年前すでに教会堂があったことが記録に残っており、957年、地方貴族によって修復された。現在見られる教会のかたちはさらに後年の改修によるものと考えられている。カタロニアの聖山モンセラの息か帰りに立ち寄るのもいいだろう。
『我が街バルセローナ』TOTO出版
16ページより