2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

移築されたサグラダ・ファミリア付属学校

[身廊の建設進行とともに邪魔になったもともとの位置から90度振って、歩道際に移築された。現在では学校はなく、内部はミュージアム化している。 移築といっても、ほとんど新しく建てたに等しく、煉瓦も真新しい。 スペイン戦争などで屋根は落ちて、もともと…

図版34, 35 Colònia Güell

図版34 - Colònia Güell コロニア・グエルの地下聖堂、地下聖堂入り口。 ガウディの設計が10年という長い時間を必要とした理由は、彼の周到な設計プロセスが途方もない試行錯誤のうえに繰り広げられたからであった。この試行錯誤はというのは力テナリー模型…

アール・ヌヴォーとガウディ

またその屋根を支えるれんがの間仕切壁ほどの厚さの外壁も、プランに曲線を導入させることによって必要な応力を得ている。これらはともに最小限の材料で最大限の空間を得ようというガウディの努力であり、形態の気まぐれさによって我々が受けるインスピレー…

図版31, 32, 33 コロニア・グエルの地下聖堂

図版31-32 Colònia Güell コロニア・グエルの地下聖堂内部。 アントニ ・ガウディ作、1898〜1915。 ガウディに、もしグエル伯爵というよき理解者がいなかったら、ガウディはガウディとして育っていなかったろう。ガウディへ最初の建築らしい建物を依顿したの…

図版26, 27, 28, 29, 30 Casa Batlló

図版26, 27 Casa Batlló カサ・バトリヨ、主階サロン部分。 ル・コルビュジェは、ガウディの作品を見て「プラスティシティ一(可塑性)の極致に達している」と評しているが、それは、彼がデザイン・プロセスの段階で定規を使うのではなく石膏や粘上を使って…

4/5 サグラダ・ファミリア教会付属学校

サグラダ・ファミリア教会主正面ファサードの建設が予定されているところに1909年、ガウディによって小さな建物がつくられた。それはこの教会建設資金を捻出するために教育施設を建てた。これは平家,れんが打放しという質素な仮設建造物である。典型的ブル…

建築コンペ

また翌年の1911年にはマドリッドのある美術雑誌主催のもとに建築のコンぺが催されたのだが、これに当時の学生たちの與昧とその傾向が明確に浮かび上がっている。コンぺのテーマはマドリッド近郊のグァダラーマ山系中の山小屋で、1921年5月の同雑誌の審査結果…

図版21 22, 23, 24, 25 Casa Batlló

図版21,22 Casa Batlló カサ・バトリョ、正面ファサード。 ファサードの壁面はゆるい波が打ち、これいっぱいに青、緑、赤茶、白、グレイといった色のセラミックが はられている。これはカタロニア地方で伝統的に使われたトレ力ンデイスという工法で、屑やか…

パリでの評価

ところでその反響は意外と大きなものであったことが、次の出版物の記事から察することができる。スペインの"建築と建造物"誌は「建築界の伝統はアカデミックで冷酷である。それが生気に満ちた力強い一時代に、スペイン個性の最も強烈な代表を目前にしたので…

図版19 Casa Batlló

アントニ・ガウディ作、1904〜06年 繊維業を営むバトリョ氏( Josep Batlló i casanovas)は当時メイン・ストリートとして発展しつつあったグラシア通りに持っていた家屋が、しすぼらしくなってしまったので、市役所に解体工事願いを出した。1901年のことであ…

図版 19  Casa Batlló

アントニ・ガウディ作、1904〜06年 繊維業を営むバトリョ氏( Josep Batlló i casanovas)は当時メイン・ストリートとして発展しつつあったグラシア通りに持っていた家屋が、しすぼらしくなってしまったので、市役所に解体工事願いを出した。1901年のことであ…

4/4晩年へのガウディ

ラ・ベドレラからのガウディの退陣は、宗教への更なる接近を誘引するが、果たしてそれが建築家としての社会的退陣に、あるいは名声の喪失に重なっていくものか確かではない。というのもこの頃に二、三の興味ある出来事が見られるからである。 まずそれは1910…

図版 18 La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会、全景。 1909年にはアナーキストたちの市内暴動で教会の焼き討ち等が起きる。また、1914年には第一次世界大戦が、そしてはカタロニア経済恐慌が連続して起きる。ガウディは、建設中の仕事も含めてほとんどの創造活動にストップがか…

ラ・ペドレラからの退陣

ガウディはミラの奥さんとの関係が悪くなりほとんど完成していたラ・ペドレラの現場監理から出を引いてしまう。残りはジュジョールが受け継ぐ。 インテリアにも言葉が刻み込まれているが、ファサードにも同じような宗教色の強い言葉が刻まれている ミラの奥…

ラ・ペドレラ インテリア天井

天井には各階、各フロア、各部屋全て違った天井の模様が描かれている。あるときは池に石を落とし、これを反転させたようなかたち、あるいは漣が天井を揺すっているようなものなどさまざまな遊びが見える。

図版13〜17 La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会の動物たち。 階段はかたつむりを想像させるが、アプス部をはじめ教会の細部には、動物が建築エレメントとして登場する。またグエイ別邸では、龍が門扉のモチーフとして使われているが、グエイ館にはコウモリが避雷針として、カサ・…

エントランスまわり

エントランスは2箇所あり、それぞれに鉄細工でバラスの入った門扉がある 2002年1月29日撮影 1975年1月撮影 2002年9月23日撮影 1975年1月 2002年9月23日撮影 2008年3月2日撮影

図版11 ・12 La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会、御誕生の門鐘塔内部螺旋。 ガウディは独自な建築、審美学の論理を待っていたが、サグラダ・ファミリア教会のような巨大な建築を設計するに当たり、ゴシックの構造学を規範としている。ゴシック建築はR・コ一クのいうように、「建…

図版10- La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会、内陣より見上げる。 ビジャ ―ルが始めたネオ・クテシック・スタイルのこの教会は、ガウディの手になって、3身廊形式から5身廊形式に、また回廊が教会四周をぐるりとまわってその四隅には聖器室、洗礼場、懺悔所がつき、主正面であ…

La Pedreraの外観

2004年10月10日撮影

屋上

ベンチの付いている馬鹿でかいエレベーター・キャビンを使って屋上に出ると、まったくそこにはガウディ独自の空間が広げられている。階段室、エレベーターの機械室、換気口、煙突などが、さまざまな形、しかも現時点から見ても新鮮な形のマスクを付けて起伏…

図版9 La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会、御涎生の門内部。あくまで奔放に見えながら、ガウディの建築は実は、構造的な裏付けはもちろん、表皮を剝がしてみると驚くほどに機能的、合理的に解析されていることがわかる。御誕生の門ファサードの裏側は、正面が複雑に様々な…

住宅の構成

ラ・ペドレラの住居構成は主階のフロアにミラ氏の住まいと、もう一戸の住居があり、その二戸に限りガウディの当初の計画であったパティオ内から直接アクセスが取れる階段が付けられている。地上階は2層取られていて、最初は半地下、そのうえは内部で上下が繋…

図版7・8  La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会御誕生の門部分。御誕生の門(東門)のファサードは地下聖堂を完成し、アプスを閉じた後の1891年から翌年にかけたスタディが始められ、その翌年基礎を完成させている。この年の12月、教会の建設委員会は、これまでに5000ペセタを建設…

図版5・6  La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会地下聖堂。ガウディがビジヤールの設計を引き継いだときには、すでに地下聖堂が着工されていた。また1885年のサン・ホセの日には、この地下聖堂で最初のミサが開かれている。空間構成は明らかにビジヤールの設計したネオ・ゴシック…

ラ・ペドレラの協同者

構造家であり施工を担当したバヨ(Jaume Bayó Font, 1873〜1961年)、それにカナレータ(Josep Canaleta i Cuadras, 1875〜1950年)はパティオの床を鉄骨の円輪で支えることを実現させたし、ジュジョール(Josep Maria Pujol i Gibert, 1879〜1949年。ガウディの…

図版4—La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会、御誕生の門部分。 1883午11月3 日、ガウディはサグラダ・ファミリア教会の建築家として正式に任命される。この年には、近代建築や芸術運動に多大な影響を与えたバウハウスを興したグロピウスが生れてている。ガウディがひょっとし…

3次元

ガウディは弟子たちに常々こう言っている。『人間の知性は二次元である図面の上でのみ働きうるのです。それはひとつの未知数を持つ、一次方程式を解析するのです。ところが天真の知性は三次元なので、直接空間に働きかけます。人間はそこまで不可能です。で…

ラ・ペドレラの模型

打ち寄せる波に洗い流されたような彫塑的なファサードは、このように、概念的には力ーテン・ウォールという現代建築では当たり前のようになったシステムの先駆的なものであるが、その建設法とデザインの决定には、ガウディならではの特異な方法によって生み…

図版2・3 — La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会、ピナクル(小尖塔)。 当初ガウディ自身,サグラダ・ファミリア(聖家族の意味味でイエス、ヨセフ、マリアを指す)教会の建築家として生涯を送ろうとは考えてもいいなかった。しかし、教会建設が贖罪の寄附だけに頼って進められていた…