モネオ/Rafael Moneo

ログローニョの市庁舎(1973-81年)

セビリアの空港(1989−92年)


セビリア万博に合わせてオープンしたのですが、ヴォールトが連置されるという、中々空港では珍しいタイポロジーとなっています。ベンチなども若干一昔前といった仕上げで面白いなと思いましたが、今では小さすぎてかまっているのかもしれませんね。スペインで新らしい空港ではボフィールのやったバルセロナ、ロジャーズのマドリッドのものがよく知られているのですが最近のものはAlicanteのもので、馬鹿でかく、ショップがやたらとターミナル内に入っています。

ディアゴナルのIlla, Barcelona

モネオとしては珍しいプロモーターとの仕事ですが、300メーターのファサードを持ち、バルセロナでの一等地であるディアゴナルにある、コンプレックス。コマーシャル、ホテル、オフィスが入っています。大きすぎて面白くないのですが、歩道から見たファサードは面白いと思います。

アトーチャ駅、Madrid(1885−88年)


2011年7月3日撮影
San SebastianのKURSAAL(1990−1999年)


バジャドリッドの科学博物館(2001年)


ティッセン美術館, Madrid


メイン・ホール
2011年7月19日撮影

カルタヘナのローマ劇場, Cartagena


2011年11月4日撮影



ラファエル・モネオ Moneo,Rafael 2−1. スペインにはスター建築家が必要であった。実は近代建築以降、ホセ・ルイス・セルトを除けば、世界に向かって名を揚げることのできる建築家というのがいなかった。Spain is differentというのはスペイン観光局の名キャッチ・フレーズだったが、実は建築界でも政府も認容できて、外国に向かって名を声だかに言えるような人物がいなかった。しかも、セルトにしてもスペイン戦争の晩期にフランスそしてアメリカへと亡命してしか生きる道がなかったから、セルトもこの意味ではスペインを代表する建築家ではなかった。もちろん60年代末のイゲーラスや70年代始めのボフィールは代表的な建築家としてはあまりに反体制側に立っていたし、サエンス・デ・オイサ(モネオの学生時代の師)、アレハンドロ・デ・ラ・ソタ、ホセ・アントニオ・コデルクは国際舞台に立つにはスペイン自体の国力がなかったということもあるが、何よりも作品自体に国際性がなかった。 こういう中で国際的な経験も十分積み、国内でもマドリッドとバルセローナという両極にある都市で教鞭をとり、弟子を育ててきたモネオはスペインを代表するには最適の人物だった。彼はかつての観光キャッチフレーズのようなちょっと後ろめたいような面白さで売るのではなく、正面きって国際舞台に立たせることのできる経験と要素を備えていた。 モネオは
3−2. プロフィール a)生年月日:1937年 b)出生地:トゥデラ/Tudela、ナバーラ c)学歴:マドリッド高等建築学校(1961年卒)、1963年ローマのスペイン・アカデミーの奨学金を得て65年までローマに滞在。 d)職業歴:サエンス・デ・オイサ(Saénz de Oiza)の事務所で働く(1958〜61年)、1962年デンマークのヨーン・ウッツォンのアトリエで働く、マドリッド高等建築学校(1965〜70年)、バルセローナ高等建築学校(1970〜80年)、再びマドリッド高等建築学校(1980年〜)で教鞭を取る。1976年、アメリカに招待され、ニューヨークの建築インスティテュートとUrban Studiesに働き、Cooper Union School of Architectureで教鞭を取る。ハーヴァード、プリンストンローザンヌ各大学で客員教授となる。1985年ハーヴァード大学のGraduate School of Designの学科主任となる。 f)代表作: *バンキンテル本社ビル(Bankinter、マドリッド、1972〜77年、R.ベスコス/Bescósと協働) *ログローニョの市庁舎(Logroño、1976〜81年) *古代ローマ美術館(Museo de Arte Romano、メリダ/M érida、1980〜84年) *セビージャの保険会社(La Previsión Española、1982〜87年) *アトーチャ駅の増改築(Atocha、マドリッド、1985〜88年) *マジョルカ島のミロ・ファンデーション(Mallorca、1987〜93年) *ディヴィス・ミュージアム(Massachusettu, USA, 1989〜1993年) *セビージャの空港(Sevilla、1992年)
*ディアゴナルのビル(バルセローナ, 1986〜1993年) *バルセローナのオーディトリアム( バルセローナ, 1988年〜) *サンセバスチャンのオーディトリアム(San Sebastian, 1990年) *ストックホルムミュージアム(1991年)

TOTO出版
「世界の建築家581人」
203ページより