街灯計画

街灯計画は同年6月に長文の解説文と10分の1の水彩で彩色された図面が市役所に届けられる。このドキュメントは現在所在不明となっている。写真が残っているのとテキストについては複数の伝記作家たちが転載しているので現在でも読むことができるが、生涯文章などほとんど書かなかったガウディにしては異常に長い説明文を1878年6月の日付で残している。この解説文にはヨーロッパ各地の広場に設置された作例などを引き合いに出しながら街灯設置の意義から始まり、果てはギリシャ、ローマの海洋都市の意義を説き、市内の主な広場の具体的な名前を列挙し、無論デザインの説明、3500ペセタというコストまでにも触れている。しかし、当初の全市街にわたって設置されるという市の計画はうやむやになってしまい、結局のところ翌年1月になって当時整備中であったレイアル広場に設置されることになった。既にモデルも造られ、ガウディはこの広場への設置のために配置計画案を別途提出している。また、パラウ広場にも設置されているのが残されているが、この辺りの経過は明らかにはなっていない。当時はガス灯であった。ガウディのデザインしたものは場所に合わせて光の量が調整する必要から、ランプの入る部分の腕の数が変えられる設計となっていた。現存するのは6本腕タイプが2基、3本腕タイプが2基の合わせて4基しか実現しなかった。いずれにしろこの劣等生には名誉すぎるほどの仕事であったといえるだろう。

ガウディが残した10分の1スケールの街灯のデザインの水彩画

写真中央部分で腕の数が必要に応じて変えられるメカニズムが考えられていた。


ドラゴンがいる

最端部の翼


街灯が設置される前のレイアル広場のプラン

街灯設置のためにガウディが提案した案のうちの2案 2枚目の案が採用された


パラウ広場に設置された3本腕タイプの街灯


レイアル広場はラス・ランブラスのすぐ横にあって、まあ保存状態もいいのですが、こちらの方は、色々なピースが無くなっています。

設計概要に提示のガウディのフィー
設計料 (水彩画も含める) 500ペセタ
実施設計、詳細原寸、そのモックアップ 800ペセタ
現場監理費 装飾詳細、付随設備、現場警備 900ペセタ
コスト分配 100ペセタ
トータル 2300ペセタ
Martinell著 Gaudí su vida/su teoría/su obra, 41頁より

レイアル広場へのアクセス