サンタ・テレサ学院インテリア

現在屋上の2重の陸屋根の上層が外されたが、もとはといえば1メートル半ばかりの屋根裏空間があり、ファサードに開けられた換気口を通じて、湿度調整の役と、雨仕舞いの役を果たせていた。このスペースはカタロニア屋根と言われるシステムで伝統的に断熱性能、あるいは雨仕舞いのために極めて有効なシステムである。


屋上のろく屋根 建設当初のレヴェルが分かる
1975年1月撮影

インテリアを特徴づけるのはレンガと木材の肌触りのよさ、さまざまなパラボラ・アーチの連なり。そしてパティオから入る柔らかな自然光であり、レンガ積みのねじ曲がったサルモン柱であろうか。
この内部空間中もっとも美しい機能主義的な空間を生み出しているのは、第2層の廊下で、柱基を3個、柱身を一本積みというれんがの柱の林立、それを結ぶパラボラ・アーチの連続。それがかもし出すタイム・トンネルのようにどこまでも連なる陰・陽のリズムである。
このガウディの機能主義的空間は決しておこで途切れるわけではない。それは巧妙に進化して装飾に覆われて複雑化し、その斬新な造形感覚に観る者を圧倒させるとはいえ、受け継がれ発展されていくのである。