ボデーガの母屋

ここで目につくのが4つのパラボラ・アーチ、それに母屋の三角形の断面形であろうか。母屋の下部の大きなパラボラ・アーチは馬屋となっていて、アーチのすぐ右側には乗馬用の壇が付けられているのはグエイ館と同様だ。母屋は3層になっていて、まず主階は3つの部分に分かれ、アーチのある馬小屋、大部屋、そして小さな玄関の付いた5部屋ある居住分となっている。その上の階は2分され、一方は5部屋ある居住部、そして他半分は大部屋となっている。また、その2分された空間は矩形のプランからはみ出した通路によって連結されている。住居部端部にはパラボラ・アーチが壁に大きく開けられ、バルコニーをつくっているが、また見事に内部空間と外部空間を連結している。主階から第2層へ登る内階段のほかに、外階段がベジェスグアルド邸の屋上階のそれのように楽しいアプローチを描いて最上階へと通じて、そこは小さなチャペルとなっている。このチャペルはアトリウムのような小さな前玄関があり、10本の角柱の細い線によって三角屋根を軽々と支えている。
またチャペルのインテリアはその細長い平面が祭壇によって2分されている。祭壇の裏側には木製のアコーディオン式の扉が付いていて、これを開ければ2文されたスペースが一つとなって使える仕組みになっている。村には宗教施設がなくグエイが村人へも提供していたのかもしれないが、このようにフレキシブルな使い方ができるというのは面白い。このために祭壇自体もむろん鉄細工の簾でできているので透かし造りとなっている。また祭壇手前はパラボラ・アーチの連続で、サンタ・テレサを思い出すような空間で、このアーチ間を明かり取りとしている。

門をくぐると左手に母屋、右手にかつてのワイナリー、現在のレストランまた中央奥にはイスラム時代の見張り塔が見える そぐ横には鉄道が通り、更に奥には地中海が広がっている 村はこの更に右手にある
2011年9月24日撮影

木がまだ小さく馬屋のパラボラ・アーチがよく見える
1972年5月23日撮影

この頃は2CVが馬の代わりに停まっていました
1974年7月撮影

アーチをくぐる 左手には乗馬用の壇が出来ている

1974年10月撮影

道路側のファサード
2011年9月24日撮影

ワイナリー側のファサード
2007年9月撮影

チャペルの鐘塔が見える
2011年9月24日撮影