モサラベの建築風景 Vol. 9

サンティアコ・デ・ぺニャルバSantiago de la Peñalba
Ponferrada近郊/10世紀/プラン上、最も奇形なのがこの堂で一辺5 mX 5mの6つのこまが組み合わされて構成されている。ここにも対置アプスが軸の両端に置かれ、正面アプスのアーチ上に3辺を区切った線が入り、キリスト教教会というよりもモスクのミヒラブに近い。ペニャルバの村は現在でも二級街道の屋根づたいの道を数キロ走ったうらびれた農村で、モサラベ時代から時が止まってしまったようだ。村全体は天然スレートで覆われて、家々の屋根が教会の屋根とつながって村全体でひとつの共用の大尾根が架けられているように見える。

中部建築ジャーナル1985年12月号より