ビックの街灯 Farolas de Vic

所在地:Plaça Major
1910年
精神的な過労と、絶食のしすぎで著しく体力を落としていたガウディは友人のトーラス・イ・バジェス(Josep Torras i Bages, 1846 〜1916年)の薦めで1910年の5月にビックへ行って療養している。ビックはバルセロナから約60Kmにある町でこの町のトーラスの友人であるジェスイット派の僧イグナシ・カサノバ(Ignasi Casanovas)に相談し、町のしかるところに寄宿させてもらう手配をした。泊めてもらった家は未亡人の家で3週間滞在した。朝はミサに通い、午後はビックの博物館に足を運ぶという生活をしていた。しかし、ここでもガウディは仕事をしていた。ちょうど町の名士ジャウマ・バルメス(Jaime Luciano Antonio Balmes y Urpiá, 1810〜1848年)の生誕百周年を記念しての行事が開かれる事になっていて市役所は広場の街灯の設計を依頼した。ガウディらしい不思議な形の鉄細工で作るという仕事を残している。実現にはサグラダ・ファミリアで仕事をしてたカナレータ(Josep Canaleta i Cuadras, 1875〜1950年)とジュジョール(Josep Maria Jujol i Gibert (1879〜1949年)が担当し1910年9月7日に除幕式が開かれたが残念にも1924年取り壊されている。
しかもこの取り壊した理由というのが、広場に入る車で邪魔だったかラという理由だった。更にコロニア・グエイの教会に使ったのと同じバサルトの石がサポートとして使われたのだが、これを道路の舗装材として転用するために粉々にしてしまったという。


70年代のビックの広場

現在のビックの広場


ガウディがビックで世話になった未亡人の家

取り壊された街灯