バルセロナのガウディ建築案内番外編 ①

旅館カタルーニャFonda Catalunya
レイアル広場のすぐそばの路地にはフォンダ・カタルーニャがある。ガウディが残した日記の1877年2月4日分には、3人の先輩であるジョアン・マルトレイ, アドリア・カサデムント(Adrià Casademunt) 、エミリ・サラ・コルテス(Emili Sala Cortés, 1841〜1920年)と食事に行ったことが書かれている。この3人が建築学校を卒業したため、卒業祝いということでガウディは同級生らとここのフォンダで食事を奢ってもらっている。フォンダというのは昔ながらの旅商人らが定宿として使った宿泊施設で、今でもスペインではこの名前が残っているが、食事だけも出すところ。
マルトレイは学生であるガウディをドラフトマンとして雇ったばかりか、後年サグラダ・ファミリアの建築家として友人であるボカベージャに推挙するわけだが、もう一人のエミリ・サラは施工会社を経営しカサ・バトリョの工事を請負った。というようにガウディはその後の人脈に繋がった食事会だった。フォンダ・カタルーニャは当時の流行のレストランだったのだろうが現在は名前も残されていない。その後バルセロナの有力な日刊紙ラ・バングラディアの印刷所もこの建物にあったらしく、現在ではこの記念のプレートだけがファサードに貼られている。
所在地:Carrer Heures, 4-6
アクセス:地下鉄Liceo(L3)下車徒歩10分

以下の本で取り上げられなかった番外編です。

バルセロナのガウディ建築案内 (コロナ・ブックス)

バルセロナのガウディ建築案内 (コロナ・ブックス)