バルセロナのガウディ建築案内番外編⑥

プンティの町工場　Taller Eduardo Puntí
コメージャのためにデザインしたパリ万博用のショー・ケースはプンティの町工場で作られた。センドラ通りは当時バルセロナの市心からは若干外れたところにあって、町工場が並んでいた場所で、今では当時の細い通りを挟んで建てられた建物は移民者が多く住む住宅地帯となっている。
プンティの町工場というのは木工を得意としていたが、他の職人とも協働して職人集団を作っていた。ガウディは学生時代からこの工場に入り浸っていたらしく、アルバイトで関わっていたプロジェクトで必要だった色々なものを作らせている。例えばコミージャスにアントニオ・ロペスがマルトレイに設計依頼していたレジデンスのこまごまとしたもの、その後グエルの口添えでガウディが直接設計依頼を受けるコミージャスのチャペルの家具などもここで作らせている。
ガウディのその後の創造活動に決定的なサポートをし、二代に渡って協働作業をしたマタマラ(Llorenç Matamala i Piñol, 1856〜1925年)の工場がそのすぐ横にあった。(Carrer Cendre, 10)　この絆がこのプンティの町工場で芽生えた場所でもあった。
所在地：Carrer Cendre, 8 Barcelona

バルセロナのガウディ建築案内 (コロナ・ブックス)