バルセロナのガウディ建築案内番外編(29)
アラブ起源の搭
ガウディはカタルーニャ主義科学遊覧協会のメンバーと色々な歴史ある場所に遠出に出ている。その中のひとつ、1880年の1月25日に当時のサリア市にあるアラブ起源の防御のために作られた搭を見学している。運命だろうか、その後これは、グエルがカン・フェリウ、カン・クヤスなどと呼ばれる3万平米の土地を8万ペセタで1883年の9月22日に手に入れ、これらを統合してフィンカ・グエルと呼ぶ広大な敷地にするわけだがこの敷地のなかにあった。当時その敷地の一角にあった農家は今では全面改装されて現存しないが、ガウディにはまだパリで見たショー・ケースを見て感動したものの、実際の力量を知らないガウディにこの農家の改装を依頼するのではなく、当時の代表的な建築家マルトレイに改装させている。あるいはグエルはマルトレイの事務所にガウディが仕事をしていることを知っていたわけだから、担当者はガウディになると見込んでマルトレイに依頼したのかもしれない。ガウディはこの時にはマルトレイのおかげでサグラダ・ファミリアの建築家に任命されていたが、まだ建築らしいものを実現させていなかった分けだからグエルとしては全て任せてしまうというのも不安があったのかもしれない。無理もないことだ・・・・。しかしその後、グエルはガウディにフィンカ・グエルのどうでもいい門扉や馬小屋などの設計依頼をしている。その後の1897年にこのフィンカ・グエルはバルセロナに合併吸収されている。
現在ではこの搭と付随している農家(Can Planas, 1709年に再建)はホテル・レイナ・ソフィアのレセプション用に使われているようだ。
所在地:Av. Joan XXIII, 2-14
アクセス:地下鉄(L5線)Palau Reial下車、徒歩10分。


