バルセロナのガウディ建築案内番外編(33)

ガウディの日記 Dietario de Reus (1878年)
ガウディは生涯文章らしきものをごくわずかしか残していない。理論派というより、実践派であったということでもある。数少ない手書きのドキュメントのひとつが生地レウスに残されている。これがいわゆる装飾日記と呼ばれる稿で、オーナメントについての若きガウディの長文の考察が記録されている。 原稿というほどのまとまりもなく相当ナマの記述でしかも日記といっても長く続けられたものではなく、さらに別に下書きがあったのではないかとされている。 このテキストがバセゴダ教授の大著「グラン・ガウディ」に完璧に収録されている。 
この日記が何レウスにあるかというと、没後同郷でありサグラダ・ファミリアでガウディ没後に後任建築家として働いていたスグラーニェス(Domènec Sugrañes i Gras, 1878〜1938年)は1936年6月20日アナーキストたちの教会の焼き討ちまでの十年間、サグラダ・ファミリアで仕事をしている。この間レウスからスグラーニェスにガウディをオマージュするための企画展の依頼の手紙が届いた。この展覧会のために1933年、アーカイブの一部がレウスに送られ、このおかげで1936年の焼き討ちを逃れレウスに今も残されることになったのだった。
現在ではこの日記などの貴重なドキュメントはガウディ・センター(Gaudí Centre)に展示されている。日記のオリジナルはスキャンされ、大型スクリーンで入場者はこれを読む事が出来る。
また、コレクションはGaudí & Reus (Museu salvador Vilaseca, Ayuntament de Reus, 2002年刊)としてカタログ化もされている。