バルセロナのガウディ建築案内番外編 (36)

ジェスス・マリア学校の教会祭壇 Altar de la capilla del Colegio Jesús-María1882年
フランス起源のジェスス・マリア教団は19世紀半ばからカタルーニャでいくつかのカレッジを持っていた。そのうちの2つに若きガウディは関係している。ひとつは現在バルセロナ市内に組み込まれているサンタ・パシアの教区教会で、もうひとつが隣県のタラゴナにある同教団のカレッジの付属教会である。タラゴナのジェスス・マリア・カレッジは司教総代理をしていた後のアストルガの司教であり、ガウディに司教館を依頼するグラウ(Joan Bautista Grau Vallespino, 1832〜92年)に関係している出来事であった。グラウはガウディと同郷のレウス出身であったからか、若い建築家になったばかりのガウディを擁護したのか、バルセロナの司教座からガウディにという指示があったのか正確にはわからないが、ガウディの姪で母を亡くしてるロシータがこのジェスス・マリア教団の経営している寄宿学校に世話になっていたという事実はあった。1879年のことだったが、この年、12月7日にグラウがこの小さな教会の奉納式を行っている。この時ガウディは父親代わりで出席している。この時教会は建物だけが完成していたために、グラウがガウディに内装の仕事を担当するように動いたのだろう。
中世から近代までアラバスターの産地としてヨーロッパで知られていたタラゴナであり、教会の祭壇を若きガウディはアラバスターで刻んでいる。その他祭壇周りは改装されたとはいえ若きガウディのデザインが残されている。
所在地:Carrer Méndez Núñez, 14, Tarragona
アクセス:鉄道でTarragona下車。駅から25分。

教会外観

建設当時の姿

教会内部

アラバスターの祭壇