第二章 半島のローマ/Capítulo Segundo Los Romanos en Península

アルカンタラの橋
現存する最大のローマの橋といわれる、アルカンタラの橋(Alcantara, 完成105-106年)は全長一九四メートル、最大スパン28.06メートル、水面からの最高レヴェル57メートルで、6つのアーチによって築かれ、橋の中央には14メートルのトラヤヌスに捧げたアーチがある。このとてつもない規模は、全長を短くするために、河幅の狭い場所が選ばれた結果、その部分の川底が深く、急流であるため、橋脚の数を最小限にし、頑丈にする必要があったからで 、常時水に入るのは、ふたつの橋脚だけ、それぞれ9メートルの幅のマッスで建設された。
材料は花崗岩で、空積みという、ローマのエンジニアリングを物語るものである。またこの建設者兼設計者の名は近くに建てられた小さな寺院の記念碑から、カイウス・ユリウス・ラチェル(Caius Julius Lacer)と知れるが、そこには「人間の業というより神業がこの橋を築く、世界が続く限り存続するであろう」とある。事実1900年以上たった今も現役としてタホ河で生きている。

全長194メートル。最大スパン28.06メートル


アルカンタラの古代ローマ時代建設の橋

レオンの古代ローマ時代に建設された橋。1975年5月撮影

サラマンカ古代ローマ時代に建設された橋。1992年2月撮影

コルドバ古代ローマ時代建設の橋