サン・バウデリオ・デ・ベルランガ/San Baudelio de Berlanga、Castilla de Berlanga, Soria


建設年代不詳のサン・バウデル・デ・ベルランガ(S. Baudel de Berlanga)の教会はモサラベ建築中、もっとも特異なものであろう。それは方形の8.5X7.5メートルの堂に、4.1X3.6メートルの礼拝堂が付くというもので、中央の円柱から延びた8本のリヴが、ちょうど傘をさしたように軽い凝灰岩のヴォールトを支えているのである。そのヴォールトと外被の間には隙間があり、一説には柱上修行の場とも解釈されている。そのうえ礼拝堂とは反対の側には5X2ベイの明らかに回教空間を回想させる円柱群があり、その上がトリビューンとなっている。これは修道僧の住空間と考えられていて、この出入りのためにそこから直接外へ出ることができるように小さな開口部がついている。
また同部下階からは、3室に分かれた人工洞へ通じる小さな開口部があり、修道僧たちの使った貯蔵庫とも、その天井に描かれた宗教的シンボルから、秘密の礼拝堂ともいわれているがまったくわかっていない。しかしこの特異な空間をさらに特異なものにしているのは、そこに描かれた異国的なフレスコ画である 。
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モサラベ建築の中でも、特異な摩訶不思議な建築です。写真は祭壇部分から撮ったものですが、奥はモスクを連想させる空間、中央には巨大な柱があり、リブが傘をさしたように屋根を支えています。壁画は像、らくだなどのスペインでは見ることができない絵が描かれています。この一部はプラド美術館に移されて展示されています。

オリジナルはプラド美術館です。マドリッドには考古学博物館というのもあるのですが、ファイン・アートの晴れの舞台である、プラド美術館にも保存されています。その他はアメリカの美術館に1922年売られています。


宗教建築に狩、見たこともない像、らくだがなぜ登場するのかこれは全く不思議というしかないですね。

この床は岩を掘り出しています。

らくだが見えます。



外観からはインテリアのドラマチックな空間構成が想像もできません。

プラド美術館に収蔵されているオリジナルのフレスコ画