サン・ミゲル・デ・エスカラーダ/San Miguel de Escalada

サン・ミゲル・デ・エスカラーダ(S. Miguel de Escalada)はこれらのうちもっとも美しい例である。会堂は913年11月20日に奉納されて以来、930年頃の側面ポーチ、13世紀の鐘塔と礼拝堂の増築を除けば、ほとんどその原型をとどめている。といってもその前身は西ゴートの礼拝所で、堂内の大理石のコリント柱などはその名残りである。
内部は三身廊で、ビザンティンのようなイコノスタシスがアーケードによって区切られている。会堂内のアーチと側面ポーチのアーチは、いずれも馬蹄型アーチで、3つの礼拝堂の平面にもそれが見られる。天井は木造で、スケルトンとして14世紀のレオン・カスティージャの紋章が残っているが、12の側面ポーチのアーチやモディジョンは彼らの故郷、つまりコルドバを明確に物語るものである。
というのも、彼らコルドバ出身の建築家たちは、キリスト教徒でありながら、その政治的孤立もあって、自ずからその範をキリスト教教会堂にではなく、直接モスクに求めたために、回教的スタイルをキリスト教的教義解釈に翻訳するという手法で、レコンキスタ後の地へ教会奉納を行なっていたのであった。
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外観はこの地方でその後も受け継がれるアーケードが付き、これがプレロマネスク以前にも使われていたのではないでしょうか。


この身廊を分けるスクリーン、これが内部にこの緊張感を作っています。