セビジャのヒラルダ/Giralda


観光地ですね。セビリアの観光のメッカになってしまいました。ヒラルダは町の中で一番高い建物でもあり、これより高い建物は作ってはいけないと言う、法文化されていない掟があります。

レンガとかプラスターとかいった簡易な材を使っているのが特徴で、その結果として、後期コルドバ様式の豊かな装飾性、彫塑性を継承し得た。
またこの1世紀あまりの北アフリカとの和平と統制は、両大陸を文化的にも結ぶことになる 。例えばヒラルダの名で知られるセビィージャのカテドラル鐘塔は、1560年から1568年の増築にその容貌を変えてしまうが、15世紀の会堂内に現存する、増築前の姿を描いたレリーフからすれば、はっきりと北アフリカのそれと関係していることがわかる。
1131年から(または32年)開始とされるマラケシュの大モスクのミナレット(図版11)は現存しないが、1辺10メートルの切石積みの方形塔で、ふたつの階段を備えていて、むしろコルドバのそれに影響されたと考えられるが、同地のクトゥビアのミナレット(成立年代不詳 )、ラバットのハッサンのミナレット(図版11)とセビィージャのミナレットは、方形平面に中央に多重の室を持った構造コアをしつらえ、いずれも階段ではなく、スロープを使っている。そのコンポジションもきわめて関連性があるが、最上部の小塔もハッサンのミナレットは建設に至らなかったといわれるが、セビィージャのヒラルダは現存のレリーフから存在が確認され、クトゥビアのミナレットとの関係を明らかにしている。
これらはアーチつき窓のある方形塔というシリアのキリスト教建築を引き継いで以降、北アフリカミナレットのモデルとなってゆくのである 。
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