第六章 ロマネスク/Románico

こうしたレコンキスタ後のキリスト教圏の回教文化への継続が大部分の地で行われているにもかかわらず、ふたつの地方−つまりカタルーニャカンタブリア海沿岸−ではヨーロッパの中世が始まっていた。
カタルーニャフランク王国シャルルマーニュのもとにレコンキスタを遂げたものの、すでに9世紀中頃には、スペイン辺境伯領(Marca Hispánica)の名に独立し、ピレネー山脈を越えラングドックを境とする封建制をしく、海運商業の大国となっていた。またカンタブリア海沿岸アストゥリアスでは、すでにレコンキスタの成功を述べたが、現在のサンティヤゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela, La Coruña)で、813年に聖ヤコブ(スペイン名サンティヤゴ)の棺が発見され、それ以降10世紀にはローマとエルサレムと並ぶ、西世界の聖地として巡礼者をヨーロッパ各国から集め、いわゆるサンティヤゴの道を形成し、キリスト教文化の導入口としていた。
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サンティアゴのカテドラル内陣。このカテドラルはその後バロック時に正面ファサードが付けられるが、それでも内部に光が入り込むように細工がされている。インテリアはロマネスク教会の構成が今も残っている。
2007年11月9日撮影