グアダルーペの修道院/Real Monasterio de Santa María de Guadalupe

13世紀の末、ひとりの羊飼いが土中に埋まっていた聖母像を発見し、それが聖イシドロへ、聖グレゴリオ・マーショが贈ったものであるとわかって以来、その地に教会が建てられるが、1389年には、これがサン・ヘロニモ派の僧院となり、後のエスコリアル修道宮の建設まで、スペイン第一の華麗な修道院といわれていた。これがグアダルーペ修道院(Guadalupe)である。
しかし、この当代有数の金のかかった建築にゴシック風ムデハール様式が使われたのである。このうち大回廊(14世紀初頭建設)がその傾向を顕著に示していて、もし回廊が単層であれば、モスクのパティオといってもさしつかえないほどに回教様式を踏襲しているのである。そのレンガの構築、馬蹄型アーチ、化粧小屋組、セラミック_、その中央の小寺院(Juan de Sevillaによる1405年の建設)もコンポジションは明らかにゴシック、ディティールは明らかに回教様式である。
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グアダルーペ修道院前景

グアダルーペの村

グアダルーペ修道院ファサード部分