モデルニスモ Part 15 ジョセップ・プーチ・イ・力ダファルク


ジョセップ・プーチ・イ・力ダファルク(Josep Puig I Cadafalch, 1867〜1956年) はモンタネールと並ぶ中心的存在の一人であったろう。"四匹の猫"に集る若きピカソやノネイ,アルベニ,グラナ一ドスといった血気に逸る若い芸術家たちのたまりであつたカサ・マルティ(Casa Martí, 1896年)の設計を手がけたのもプーチである。彼はバルセロナ大学で物理数学を学び,また同建築学校で建築を学んだ。カサ・バトリョの隣にあるカサ・アマトリェ(Casa Amatller, 1900年)は,そのモザイクの使用にガウディを先行するものがあって注目に値する。その代表作のカカ・デ・レス・プンチェス(Les Puxes, 1905年)にしてもその新古典主義と言えなくはないコンポジションとディテールに,ネオ・ゴシック主義者と呼ばれることもあるが,そのフロー ラルなそして多彩色なイメージは世紀末のものであろう。彼の多くの研究の中にはロマネスク美術建築に関するものがあり,1930年のパリ大学芸術学部設立に際し,ロマネスク建築についての招待講演をしている。