ネオ・ムデハル Part 8

このネオ・ムデハル様式が何らかの形でカタルーニャへの影響を避けられないのだが、年代的なことを考えるとドメネク・イ・モンタネールのモンタネール・イ・シモン出版社1881〜86年が浮かんでくる。しかも、ドメネクが建築を勉強したのはマドリッドであったことからもこれは十分関係が深いことが分かる。
その翌年の1882年にはラス・サレ・セスの教会がガウディの師であるジョアン・マルトレイ(Joan Martorell i Montells, 1883〜1906年)によって設計されている。


ネオ・ムデハルにやはり分類されるべきだろうが、この釉薬タイルの組み込まれ方はどうも一様な手法ではない。


堂内の床はランダムでありながら、よく見ると渦を巻いたような並べ方のモザイクが貼られている。非常に面白く、ガウディ自身が後年ある教会の床にモザイクをやっているがこちらの方がよほど面白い。記録は残されていないものの、この辺りはどう見てもネオ・クラシシストのモルトレイというよりはガウディの手になっていたとしか考えられない。

マルトレイという建築家はもともと時代のネオ・ゴシックで設計をしていたのだが、ガウディがドラフトマンとして加わったころの作品というのはゴシックに何か別なものが重ねられている。たとえばこの正面ファサードで、上っ面の彫刻群やギャラリーはむろんネオ・ゴシックであるが、その背後にあるのは何ともタイルといい、レンガの使い方といいムデハルになっている。これもやはりガウディの仕業に違いない。


手で彩色所た絵葉書 HDRのおうですが・・・・