グエイ別邸 Finca Güell

これはグエルの別荘として当時バルセロナ市外,現在のペドラルベス宮をとり囲んだ広大な土地の中にあった。ペドラルベス宮は、後年王宮として転用されてからの呼称であるが,その後1920年代後半のディアゴナルの延長に二分されてしまい、現在はバルセロナ大学都市に食い込まれた形となっている。
ガウディがなし得た仕事は、このとてつもない広がりの中で、わずかに三つの門を閉じ得たにすぎない。主門には門番小屋と馬小屋が付随するが、他のふたつは門だけであり、ふつうグエイ・パビリオンPabellón Güellと呼ばれるのはこの主門の方である。
建設の始まったとされるのは1884年,終了は1887年、建築家になって6〜10年目の作品である。ここでの明らかなガウディの設計の姿勢は、
イスラム様式のオーナメントを追求しながら、それが自己流にこなれていること
②構造的な試み
③材料に対する吟味
④プランの転換
⑤鉄細工
である。

1974年4月撮影

1893年のグエイ別邸