ソルソーナの町Solsona

カルドナからソルソーナへは車で30分。司教区があるソルソーナはカルドナよりもさらに歴史がある。産業があるとも思えないのだが活気がある。ここに来たかったのはソルソーナ司教博物館Museu Diocesà i Comercalがあるからだ。この地方都市といえどもソルソーナ周辺にはロマネスの教会がたくさんある。それには10世紀にピレネー山脈をまたいで活躍したオリーバ(Oliva, 971〜1046年)というベネディクト派の修道院長がすたれていた教会を建てなおし、宗教心を奮い立たせた貢献によるところが大きい。そのおかげでこの21世紀でもこの小さなミュージアムにコレクションがたくさん集まっているというわけだ。特に、Sant Quirce de Pedret教会の壁画は貴重なフレスコだ。
町に着くとかなり立派な市門があり、それに張りつくようにカテドラルのアプスが見える。アビラのアプスと市壁とのあの迫力はないが、これは絵になっている。町ができたのはここの10世紀城があったのが起源とされる。カルドナとは違ってここは平地の城であるが、この城がカテドラルや市門に変貌して今も残っているということだ。ここも以前に来ているが、よく覚えていない。というか最近かなり町規模での大規模な補修修復の手が入っているのだろう、全てメンテが入っていて見違えてしまう。日曜だからお店は閉まっているがバルは開いているので人通りはある。
市門から入るとすぐあるカテドラルへ足が向いてしまった。このカテドラルは12世紀起源、何度の改装にあっているが、主に14世紀に建設、バロックの装飾も目立っている。堂内のプロポーションはやはりロマネスクでゴシックの昇天するような垂直感はない。外観では軒下にある様々な表情の彫刻が面白い。
町にはマジョール広場の他にもアーケードがあり、なかなか雰囲気がある。お目当てのミュージアムは1896年に創設というから歴史がある。基本的には司教区の手に入ったものという事で司教区の教会堂から何らかの理由で移されたものだが、巨石時代の発掘品、また地元の作者が作ったのだろう珍品がある。この珍品というのは石で作ったbutifarra(ソーセージの一種)などがあり愉快。
巨石時代の発掘品のなかには素晴らしい模様のついた壺が見もの。新石器時代に属するらしい。ロマネスクではサン・キルセ・デ・ペドレット教会の壁画がやはり見事だ。この教会堂はこの地方にあるプレ・ロマネスク起源の教会堂から剥がし移動させたもので時代的に珍しい。


市壁に重なるようにカテドラルのアプスが見えるが、すでに要塞らしき面影はなくなっている

市門

カテドラルの現在のエントランス

エントランスの脇の彫刻

カテドラル脇の噴水

カテドラルの内部


ちょっとつまむはずがタパスが昼食になってしまった