3/12 サグラダ・ファミリア教会御誕生のファサード

サグラダ・ファミリア教会はその建設の発起人の死(1892年4月22日バルセロナにて没)にも関わらず、順調に進んでいた。ビジャール原案の三身廊形式に対してガウディの計画は5身廊・翼廊部も3身廊というもので、既に北西側にはアプス(図面上のC. de Provenza)周壁が完成されていたように、その反対の南西面が主正面とされた。また入口は主正面(プラン上にC. de Mallorcaとある箇所)のほか、両側面にも開けられ、合計3つの門が設けられる。それらの門は御誕生の門(北東面、プラン上C. de Marina)、御死去または御受難の門(南西面、プラン上でのC. de Cerdeña)、そして主正面は御光栄の門と名付けられた。これはキリストの涯を3分してそれぞれの門にシンボライズさせたもので、方位も日の出方向に御誕生の門、日没方向に御死去の門を配置するという具合である。またそれぞれの門はカトリックでいう3徳、つまり信、仁愛、望を象徴する3つの入口を持たせている。しかしながらこれらの配置命名は形骸的なシンボリズムという生やさしいものではなく、配置計画自体がキリスト伝であり、サグラダ・ファミリア伝であるような構想が立てられている。またヴォリュームを決定している18本の塔も同様である。


サグラダ・ファミリア教会に修復保存されているガウディが1910年に行ったパリでの展覧会に送られたご誕生の門の模型