屋上
ベンチの付いている馬鹿でかいエレベーター・キャビンを使って屋上に出ると、まったくそこにはガウディ独自の空間が広げられている。階段室、エレベーターの機械室、換気口、煙突などが、さまざまな形、しかも現時点から見ても新鮮な形のマスクを付けて起伏の激しい、まるで大地のミニアチュールのようなほとんどアクシデンタルなというしかない起伏の上に並べてあるのだ。現在ではここが見学できるようになっているが、建設当初は使用人たちが洗濯物を干すなどに使った全くのサービル・スペースであった。
『科学というのはね、起源によって学ばれるのです。芸術というのは、過去につくられた模範によって学ばれるのです。』果たしてガウディは既に芸術というものを学び尽くしてしまったのだろうか。
1972年9月16日撮影
1973年11月撮影