図版10- La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会、内陣より見上げる。
ビジャ ―ルが始めたネオ・クテシック・スタイルのこの教会は、ガウディの手になって、3身廊形式から5身廊形式に、また回廊が教会四周をぐるりとまわってその四隅には聖器室、洗礼場、懺悔所がつき、主正面である御栄光の門への大階段にいたっては、敷地であるセルダのブロック(133.33x133.33m)からはみ出して計画されている。
そればかりか、各門には四基の塔が立ち、後陣部には140mの障氓ウの聖母マリアに捧げた塔、交叉部にはそれよりさらに高い170mのイエスに捧げた高塔、またそれを囲むようにして四福音書家(マルコ、マタイ、ヨハネ、ルカ)の塔が建ち、平面でいえば身廊の奥行き95m、翼廊幅60m、身廊中央部障氓ウ30mという巨大な計画に発展していった。

《右手が、ガウディが直接携わり、1930年に完成した御誕生の門。左手が弟子たちによって建設され、1977年一応の完成され御死去(受難)の門。中央がアプスとなっている。両門の上部に身廊が現在急ピッチで進められ、92年のオリンピックまでに屋根を架けようという意気込みで工事力が行なわれている。ほぼこの写真撮影地点にイエスに捧げる170mの高塔が建つはずだが、我々はこの完成を目にできようか。》

名古屋デザイン博
「ガウディの城」展カタログ
写真解説より
1989年刊行

後記

ご誕生の門

ご受難の門

ご光栄の門