図版115   Casa Lleó Morera

カサ・リェオ・モレーラ、ファサード部分
ドメネク・イ・モンタネール作
国際ホテルは、160mのファサードを持つ仮設建築で、驚異的な63日という工期でそれを完成させている。レンガ1つ割られることのないような設計寸法は完璧にモデュール化され、構造、建具、はては装飾に至るまでプレファブ化されていた。ヨーロッパ諸国内ではオランダとスペインけが、開口部が壁面にでき上がってから寸法をとり、建具を取り付ける習慣があるから、建具を先にプレファブ化するというのは当時としては画期的なことだった。
《力サ・リェオ・モレーラはいわゆる、“不調和のブロック”(Manzana de Discordia)の中に位置する建物である。パセオ・デ・グラシアという当時の一等地にあるこの不調和のブロックは、時代を代表する3人の建築家が、思い思いのデザインを競って3つの建物を設計したため俗にそう呼ばれた。ドメネクのカサ・リェオ・モレーラ〈1905年、現在1階部分は原型をとどめていない)の他、プーチ・イ・カダファルクのカサ・アマトリエ、そしてガウディのカサ・バトリョファサードを競い合っている。〉

「ガウディの城」展カタログ

写真解説より

1989年刊行

後記