4/8 コロニア・グエイ教会

グエイは1898年、サンタ・コロマのコロニーに労働者のための教会建設をガウディに依頼している。しかしその建設は十年後の1908年10月になってからであった。ガウディは依頼を受けてから着工までの10年間を構想と立案とその実験に費やしていたのである。その意味で合わせて16年間を費やしたコロニア・グエイ教会は作品の系譜上からみて極めて興味深いものなのである。
つまりこのプロジェクトの計画立案に費やした年月間にガウディはカサ・カルベ、ベジェスグアルド邸、グエイ公園、ミラージャス邸の門、マジョルカ島のカテドラル修復、ボマレット陸橋計画、グラネイの別荘計圃、「サラ・メルセ」の改装、カサ・バトリョの改装、ラ・ぺドレラ、聖女テレサ学院礼拝計画などを手掛けていたわけで、第二期の後半から第三期へと渡っているし、またその建設中にはサグラダ・ファミリア教会付属学校など規模こそ小さいが非常に興味深いまさに円熟期にふさわしい作品を残しているのである。
きガウディはこの10年間、彼自身のほか四人の助手をこのプロジェクトに投入するというぐあいに、この教会のプロジェクトに打ち込んでいる。それは恐らくサグラダ・ファミリア教会ではなし得なかった基礎からの計画をなさんがためもあろうが、果たしてその10年問をどう使ったのだろうか。


弟子ベレンゲールによって描かれたコロニーの全体図

このGの文字はボデーガ・デ・ガラーフの門扉に刻まれているものと非常によく似ている