図版154〜158

図版154〜156   La Boqueria (San José)
ラ・ボケリアの市場(またはサン・ホセの市場)。
モデルニスモをガウディ、ドメネク、ブーチ、ジュジョールといった当代に活躍した代表的な建築家の作品だけで語るのは、あまりに危険だ。1876〜86年のいわゆる力タルーニアの経済力が、モデルニスモ誕生の原動力になったわけだがそれはブルジョアたちのサロンだけにとどまらず、街角の店舗や人々の生活の中に広く浸透し、ポピュラーな造型感党となり、モデルニスモは現在のバルセロ ナの街にさえ生き続けている。
《図版154・156はラ・ボケリア市場の人口で、ラス・ランブラス通りにある市民に一番親しまれているマーケット。ハム屋の右手には生ハムがずらりと並び、左手には腸詰め類。市場で'番いい場所を占めているのが魚屋で、力二、エビが安い。色とりどりなフルーツ。ニンニクのことをアホという。イワシの塩づけはカタルーニャの人々にもなつかしい味となりつつあるが、つい数十年前までは貧
しい人が唯一口にできるタンバク源だった。その下にはからすみ、乾燥タラ、干物と、日本の乾物屋さんのようなものが並んでいる。》


後記

80年代のボケリア市場裏の野外の売り場



図版157・158 Farmacia Pedrell 
薬局パドレイのステンド・グラス。
1890年頃。
モデルニスモの時期はガラスの量産化の時代でもあった。もちろんそれは板ガラスだが、これに色ガラスが付けられた。
《旧市街のサン・ペレ・メス・バイシ通り52番地(Sant Pere més Baixa)には建築家べルナーダス(Bernadas)の設計した小さな薬局がある。ファサードのステンドは当時ののステンド職人ジョアン・エスピナゴーサ・イ・ファランド(Joan Espinagosa I Farrando, 1858〜1931年)が担当。すでにモデルニモスのステンドが完成している。

「ガウディの城」展カタログ

写真解説より

1989年刊行