ガウディの動員数

直接、間接に啓蒙された人でなくても、ガウディを実際見たことのない人の中にもガウディ・マニア、ガウディ・ファンは多い。ガウディを見たいとバルセロナに押しかける人は絶えない。これはどういうことなのだろうか。
不思議、怪奇、グロテスク、シュール、神秘、メルヘン、かわいい・・・・それこそガウディに対する評価は頗る多い。しかも、いまでは専門の人から一般の人まで様々な人から限りなく幅広く評価されるようになった。これには色々な理由があるだろうが、そのひとつにはガウディの建築、空間、装飾、色彩には様々なメッセージが提示されているからではないだろうか。しかも、そのメッセージというのはキリスト教徒に通じるばかりか、その他の宗教圏、文化圏の人にも伝わるものだ。西欧社会の人にも、その他の社会の人にも共通するメッセージを提供している。珍しい出来事ではないだろうか。建築でこれほどの人の関心を集めるというのも珍しいことではないだろうか。
現在、バルセロナで一番の観光名所はサグラダ・ファミリア教会で2.317.349人を年間動員し、二位は科学博物館CosmoCaixaの2.128.453、第三位はマルチ展覧会場CiaxaForumの1.552.110、次いでピカソ美術館の1.369.187、そしてカサ・ミラ(ラ・ペドレラ)の1.022.887(バルセロナ市役所2010年統計より)バルセロナ市内にある文化施設では両施設を合わせるだけで最多の動員数をガウディだけで占めている。しかもグエル公園カサ・バトリョなどを入れれば総動員人員ははるかに他の見どころ、ミュージアムなどは到底及ばない。ちなみにランキングの次が1.311.638人のバルセロナフットボール・チーム“バルサ”の記念館だから、あのヨーロッパ有数のサッカー・チームよりさらに格段の人気があるというわけだ。これは違いなくガウディがバルセロナの街のシンボルになっているということだ。