ギジェン・ボフィール

Guillen Bofill活動:1400年頃
スペインの長。ジローナのサン・フェリウ教会(Sant Feliu)で石工長を1381~83年勤めていた事が分かっているが、ボフィールの決定的な貢献はジローナのカテドラル建設である。この建設は1316〜20年に内陣から始まっていたが、三廊形式で考えられていた。1416年に工事は一端中断され、その建設続行のための議論がされた。最終的に翌年の1417年にボフィールがその案を受け入れられ、22m幅のゴシック身廊で最大幅を持つ単廊形式が採用されることになった。これには当時の著名な建築家たち12人が現在のフランスとの国境を跨いでいたカタロニア地方から集められて協議がされた。うち7人が三廊形式、5人が単廊形式を支持したといわれている。

三交社刊 建築家人名事典より

サン・フェリウの教会

ジローナ・カテドラル


鐘塔が養生されているが、主正面は後年バロックで改装されている。


ボルト・メリア、ハイメ
Jaime Bort Meliá;
18世紀活動
スペインの建。出身は隣県のカステジョンにある サン・マテオ(San Mateo, Castellón)。1733年にクエンカの建築官であったことが分かっている。ここでは市役所の設計をしていることが分かっているが実現させたのは(Lorenzo de Santa Maríaで1762年完成)その後1736年にはムルシアに現れている。彼の代表作は1754年完成したムルシアのカテドラルのバロックファサードであろう。1738年の洪水で大破したファサードはエンジニアSebastián Feringán y Cortés*に託されるが、同年4月に基礎、ファサードの設計が完成。現場はハイメ・ボルトが担当し、巨大な祭壇彫刻のごとく仕上げた。

《その他の作品》
フエンサンタのサンクチュアリ(Santuario de la Virgen de la Fuensanta, Murcia)
ムルシアのマカチョ候広場(Plaza del marqués de Camacho, Murcia, 1740年)
Toribio Martínezによって着工された古橋(Puente Viejo, Murcia, 1740年)
メルセの教会の祭壇(Iglesia de La Merced, Murcia)
オリウエラのラ・グランハ候宮(Palacio del Conde de la Granja. Orihuela)
オリウエラのサン・フスタ・イ・ルフィナ教会の聖器室(Iglesia de Santas Justa y Rufina, Oriuela)
サン・ハビエルのローダの庵(Ermita de Roda, San Javier, Murcia)
エルチェのサンタ・マリアのバシリカ(Basílica de Santa María, Elche)
オンルビアのサント・ロストロの庵(Emita del Santo Rostro, Honrubia, Cuenca)
《参考文献》
Sánches Moreno, J. 『Maestro de Arquitectura en Murcia』, Murcia, 1942年

フアン・ボテーロ
Juan Botero
16世紀活動
スペインの建。エンリケ・エガス*の設計になるサラゴサのカテドラルのランターン・タワー建設をムエデハル様式で建設(Zaragza, 1505〜1520年)、その後タラソナのカテドラルのランターン・タワーも実現させている。(Tarazona, 1543〜1545年)

《参考文献》
Torres Balbás, 『Arquitectura gótica』, Madrid, 1952年

バルトロメ・デ・ブスタマンテ
Bartolomé de Bustamante
生:Alcalá de Henares/1501年 没:Trigueros[Valladolid]/1570年
スペインの建。ジェスイット会の僧侶。アルカラ・デ・エナーレスで神学を学び、1528年僧侶となる。カラバーニャ(Carabaña, マドリッド)の教区に派遣されるが司教秘書として任命されるとイタリアへ派遣される機会を得る。ローマでジェスイット会の教会と接触し、帰国後カラバーニャの教会を再建する機会を得る。
タベーラ枢機卿の牧師として任命されると、コバルビサ*が着工したトレドのサン・フアン・バウティスタ病院の継続を任命され、古典スタイルでこれを完成させる。1543年にはカスティージャ運河の建設にも関係した。1552年にジェスイット会に入り設計者として同会の多くの施設を手がけている。そのうちメディナ・デル・カンポMedina del Campo (1553)、プラセンシア(Plasencia, 1554年)、ムルシア(Murcia, 1555年)の修道院グラナダのサン・パブロ(San Pablo, Granada, 1556), ウエルバのトゥリゲーロス(Trigueros, Huelva, 1562)の神学校、セビージャのカラバカ・イ・セグーラ・デ・シエラ(Caravaca y Segura de la Sierra, 1567年)などを残した。

《参考文献》
Perada de la Reguera, M. 『Bartolomé de Bustamente』, Santander, 1950年
Rodríguez G. de Cetallos, 『Bartolomé de Bustamente y los origenes de la arquitectura jesuita en España』, Roma, 1967年