ファン・グアス

Juan Guas 
生:Saint-Pol-de-Léon/1420年? 没:トレド/1496年没
 スペインの建、彫。ブルターニュ出身の彫刻家で若年にしてスペインに来たらしい。父親がフランドル出身らしく、フランドル名はJean Was /Jean Goas、ブレターニュ語ではYann Gwaz。トレドで働いた●ピエール・グアス(Pierre Guas)の子。カトリック両王の時代には「ゴシックの建築様式を使いながらも、星型リヴやアラブの影響を受けた格子天井といったものを付け加えているイサベル様式」の偉大な作家のひとりだった。1461から63年にはアビラのカテドラルの大門(Avila)に働いている。1461から83年にはグァダラハーラにインファンタード公宮(Infantado, Guadalajara, 1483年)、そしてセゴビアサンタ・クルス(Santa Cruz, Segovia)、パウラールの各修道院(El Paular)でも重要な役を果している。しかし、オリジナリティーに富んだイスパノ・モリスコ・ゴシック(スペイン居住の回教徒の建築に影響を受けたゴシックのースタイル)そしてフランドル様式の混在したトレドのサン・ファン・デ・ロス・レイエスの教会堂(San Juan de los Reyes, Toledo, 1477年設計)とその回廊が特記に値する。彫刻装飾と紋章の豊かな起用がこの時代の最大の特徴とされる。また、1480年にはマドリッド北32kmにマンサナーレス・エル・レアルの城の正面ファサード(Manzanares el Real)を建設している。

三交社刊 建築家人名事典より

アビラノカテドラルの時計塔

同大門

インファンタード宮


マンサナーレス・エル・レアルの城



《代表作品》
アビラのカテドラルの時計(Catedral de Ávila, 1475年)
セゴビアのカテドラルの回廊(Catedral de Segovia)
トレドのサン・フアン・デ・ロス・レイエス修道院(San Juan de los Reyes, en Toledo, 1477年)
マンサナーレス・エル・レアル城のキャレリー部分(Manzanares el Real, Madrid郊外, 1480年)
ミランダ・デ・エブロの城(castillo de Miranda, Miranda de Ebro)
ベルモンテの城(Castillo de Belmonte)
セビリアのアルカサールの入口(Alcázar de Sevilla)
エル・パウラールの修道院のアトリオ、付属教会のポルタル、回廊(Monasterio de Santa María de El Paular, Madrid州)
バジャドリッドのサン・グレゴリオ・カレッジ(Colegio de San Gregorio, Valladolid)
グアダラハーラのインファンタード宮(Palacio del Infantado, Guadalajara, 1483年)
クエジャールの城の塔、北、西のファサード(Castillo de Cuéllar, セゴビア)
グアダラハーラのエル・シドの居館であったハドラケの城の改装(Castillo de Jadraque, Guadalajara, 記録はない。)
パラスエロスの城(Castillo de Palazuelos, Guadalajara, マンサナーレスの城と似ているところから言われている。)