エルメネジルド・ミラージェス・イ・アングレス

Hermenegildo Miralles i Anglès (1859〜1931年)


印刷、製本、出版業者、型抜き建築仕上げ材製造者
ミラージェスの個人的な記録はほとんど残されていないが、ドメネク・イ・モンタネールの父であるペラ・ドメネク・イ・サロ(Pere Domènech i Saló)の弟子で、スペイン国内は無論のことヨーロッパの多くの図書館を見て歩いて、製本術を研究した後、バイレン通り59番地に45年以上続いた工場を経営していた。モンタネール・イ・シモン出版社だけでも、年間1000冊をこの工場で製作して、300人の従業員を抱え、当時の製本の中心地でああった、ライプチッヒ、ベルリン、パリ、ロンドン、ニューヨークに負けない最新の製本に必要な機械を揃えていた。また、1899年から1903年には15日毎刊行したイスパニア(Hispania)はドメネク・イ・モンタネールのデザインした表紙を使い、時代の風潮を今に残す刊行物として現在も貴重な資料となっている。
この工場では強力なプレスが出来る機械を利用して、製本だけではなく、表紙に押し型を充てレリーフ模様を入れるのを得意としていた。この強力なプレス機械を利用して、建築部材を製作販売していた。ガウディのカサ・ビセンスの天井の自然のモチーフ、特に喫煙室の天井のアラベスクはこの技術を使って、プレス加工された段ボールであった。ガウディは1902年にミラージェスのための家のフェンスをデザインしているが、仲がよく、この強力なプレス機械を使って、石材の圧縮試験をミラージェスの工場でしている。

イスパニアの表紙

カサ・ビセンスの天井

フィンカ・ミラージェスの塀