バルセロナのガウディ建築案内番外編②

手袋商エステバン・コメージャのお店 guanterí Esteban Comella (1878年)グエルがガウディの才能を発見するきっかけになったのはこの手袋商のために作ったショー・ケースであった。パリの博覧会でガウディを発見し、グエルはガウディの事を調査するために、コメージャの店を訪ねている。このショー・ケースは現在レウスに残されている名刺の裏に描かれた小さなスケッチと当時の新聞に発表されたイラストしか残されていない。ショー・ケース自体は博覧会後どうなったのかすら分かっていないからこの名刺だけが残されたドキュメントということになる。
エステバン・コメージャが経営していたお店は現在の旧市街、当時のメイン・ストリートのひとつであるアビニョ通り(Carrer Avinyó)にあった。これは市役所前広場からラス・ランブラスへ出る、もうひとつのメイン・ストリートであるフェラン通り(Carrer Ferán)の角地という絶好の場所にあった。またこのアビニョ通り(Carrer Avinyó)というのはピカソの“アビニョの娘たち”で知られているこのアビニョであるが、ピカソはこの通りの港に近いところに屯していた娼婦を描いていて、この娘というのは実は娘という訳は適切ではなく”女“なのである。しかし、5番地というとフェラン通りとの角地なのでまさに当時の一等地であった。さらに面白いのは角を曲がったフェラン通りと並行の裏道にガウディの最初の事務所が至近距離にあって、プンティの町工場でコメージャと知り合い、ショー・ケースの依頼を受けたとされるが、近所付き合いすらあったはずだ。コメージャは他にもガウディにデザインを依頼しているのが分かっている。その中には店の内装があり、これはショー・ケースなどが製作されたことは分かっているが、実現しなかった。
所在地:Avinyo, 5
アクセス:市役所広場(Plaça Sant Jaume)から5分。
現在はお土産物などの雑貨を売るショップになっている。


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