サンタ・クリスティーナ・デ・レナ/Santa Cristina de Lena


サンタ・クリスティーナ・デ・レナ(Santa Cristina de Lena)は文献的な裏づけはないが、バットレスレリーフ、空間構成からナランコの建築家が建てたものと考えられている。方形の内陣は1ベイずつ前後に延び、さらに方形のアプスが四方を固めるという特異なプランで、さらにそれに3段のレベル差を付け、外観はバットレスをもってパースペクティブをもてあそぶというこの建築家ならではの卓越した手法を示している。
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王の席から祭壇を見下げる

祭壇を一般大衆レヴェルから見る

すかしの入ったこういうスクリーンでそれぞれのレヴェルはさらに身分別に区切られています。

非常にレベルの高いアストゥリアス建築ですが、その中でもさらに素晴らしい空間を持っているのがこのサンタ・クリスティーナ・デ・レナの教会です。ナランコと同じような小高い丘の上に建っていますが、概観のシンプルなコンポジション、装飾も抑えられているものの内部空間は素晴らしいですね。レベルが3つあるというのは、司教、一般民衆それに貴族あるいはラミーロ王のレベルが一番高いところにあり、それぞれがレベルで区別されています。しかも王のレベルは専用の入り口さえも付いています。
1985年人類の遺産として登録されていますがアストゥリアスの首都オビエドから35Kmの距離があります。