ヒラルダの周辺/Giralda 2

1131年から(または32年)開始とされるマラケシュの大モスクのミナレットは現存しないが、1辺10メートルの切石積みの方形塔で、ふたつの階段を備えていて、むしろコルドバのそれに影響されたと考えられるが、同地のクトゥビアのミナレット(成立年代不詳_)、ラバットのハッサンのミナレットとセビィージャのミナレットは、方形平面に中央に多重の室を持った構造コアをしつらえ、いずれも階段ではなく、スロープを使っている。そのコンポジションもきわめて関連性があるが、最上部の小塔もハッサンのミナレットは建設に至らなかったといわれるが、セビィージャのヒラルダは現存のレリーフから存在が確認され、クトゥビアのミナレットとの関係を明らかにしている。
これらはアーチつき窓のある方形塔というシリアのキリスト教建築を引き継いで以降、北アフリカミナレットのモデルとなってゆくのである。

マラケシュの大モスク
1972年元旦撮影

1972年のマラケシュ広場