アベンセラーヘスの間/Abencerrajes

内壁は石灰にアラバスターの粉末、それにある酸を加えて仕上げられ、それが乾燥して完全に凝結する前に、アラベスク紋様が彫り込まれ、コーランの一章が彫り込まれ、「アベンセラーヘスの間」という地上のパラダイス、いやオアシスを構築した。その腰は、多彩色のアラベスクのセラミック、ファイアンス・モザイクが覆い、木組のやはりアラベスクで細工された窓から光をもらせている。ここには最限まで簡略化され、最限まで限定された空間が、アラベスクに脚色され現出されているのである。しかもそれははるかに筆を絶している。

2000年3月撮影