ロココの前兆カルトハ(カルトジオ)派僧院の聖器室/Catuja de Granada

グラナダではルイス・デ・アレーバロ(Luís de Arévalo)によってカルトハ派僧院の聖器室 (1727〜1764年)がスペイン・バロックの最大の奇行をやってのけたが、すでにオーナメントにロココを漂よわせている。

グラナダ・カルトハ派修道院エントランス
1971年8月撮影。


バレンシアの“双水侯爵宮”(Palacio del Marqués de Dos Aguas,1740〜1744年 )ではそれがより明確になり、ナポリやシシリーのロココとの接近のなかに、しかも地方的な特質を明確に打ち出している 。


ドス・アグアス侯爵館 1740年侯爵により改装される。ファサードにはアラバスターに施された彫刻、スタッコによる大理石を真似た模様がファサードに描かれている。その後の改装にもあっているが、現在は国立陶器博物館

アレバロ、ルイス・デ
Luis de Arévalo
活動:18世紀
 スペインの建。グラナダのカルトジオ会修道院の聖器室(La Cartuja, Granada)を実現させている(礼拝堂はF.ウルタード*の設計)。マヌエル・バスケス(Manuel Vázquez)が装飾家兼彫刻家としてここに働いている。スペイン・ロココのキャラクターを最も現わした作品のひとつといえるだろう。装飾の過多は空間の明快な構成と対比されている。この聖器室の建設は1730〜47年。
三交社刊『建築家人名事典』より
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