たこ/Pulpo

また脱線しますが、タコは80年代の対日本輸出の1位を占めていました。日本はこれに対して電卓でしたから、タコと電卓を交換していたようなものです。

一番ポピュラーなのがガリシア風たこです。やわらかくこれにパプリカ、アラ塩で味付けがしてあります。ガリシアで食べると必ず保温性のいい木のお皿に盛られてきます。これを楊枝で摘むというのが一般的な食べ方です。

これはプルポ・ア・ラ・フェイラという(祭り風たこ)のですが、ドラム缶にお湯を沸かしてこれにタコを放り込むという大胆な方法です。これが最高においしいのはドラム缶の水を替えないからです。タコ汁の中でタコをゆでるわけですからおいしいのは当然でしょう。
これをハサミでぶつ切り、素朴ですがこれは間違いなくお勧めしたいおいしさです。
さて、この尋常ではない柔らかさ、口の中に入れるととろける・・・。日本のたことはこれは食感が全く違います。コリコリという歯ざわりが全くない。これはあるときガリシアの漁港で子供が何かをしきりに堤防のコンクリートにぶつけているのを目撃。まだたこは生きているのですが、それが子供の仕事なのでしょう、残酷なほど執拗にぶつける、これが柔らかさの秘訣です。たこの軟骨をこれでぐちゃぐちゃになるまでも崩し、それから炊くわけです。もっとも脱水機でやるという話も聞きました。

ガリシアで食べれば必ずこれです。

それがバルセロナで食べれば、木のお皿も、楊枝も普通は出てこない。