力ニゴの修道院/Abbeye de saint Martin du canigou (Sant Martí del canigó)


建設年代は地下聖堂が1000年奉納。カタロニア・ロマネスクはその成立の歴史からもわかるように、ピレネ一山脈をまたいだ現在のフランスにも広がつている。力二ゴの修道院はそのうちのひとつで、地下聖堂の上に会堂が重なり、2層のプランをもっている。部分は3身廊で、筒状ヴォールトが重量感を生み、一方では身廊間のアーチの連続がそれを軽快に受けとめている。しかもその工法は古代ローマの伝統を明らかに引き継いでいる。なによりも素晴らしいのは、小山の上に建つそのたたずまいとこのー带の景観である。
TOTO出版”我が街バルセローナ”より
P19

追記
最後に行ったのは2008年12月7日だった。ここは結構アクセスが厳しく、今も特例を除いては見学にはこの修道院のある山まで登らなければならない。45分というが実際には1時間はたっぷりかかるだろうか。何しろ急な坂道だから、きつい。最初に行った1974年のころは小さな3輪車が修道院の必要なものを運ぶためにあったが、このまま道幅も広げていなくて素晴らしいと思った。便利になることだけをむやみに考えている現代社会では貴重なことだ。

Puig i Cadafalch作図のアクソメ