Olius

カタロニアの北部、アンドラ侯爵国への旧街道からもそれて800人ばかりの小さな村オリウスがある。ここはロマネスクの教会、サン・エステバンと最晩年というえるかもしれないベルナルディ・マルトレイ・イ・プーチBernardí Martorell i Puigというガウディシンパの建築家がデザインした墓地がある。
ロマネスクとモデルニスモという2つのカタロニアの輝くべくエポックがこんな田舎の村に共存しているのだ。教会は1079年奉納、ほぼ完璧な姿で今も残されている。ロマネスクの典型的なスタイルである。ロンバルディア風の鐘塔、単身廊プラン、半円形プランのアプス、ここはその後の改装にあっているのか、石の筒状ヴォールトで、4つのアーチがこれを支えている。一番興味深いのは地下聖堂で、アプスの真下にある。もともとはアプス側面の階段からアクセスが取られていたが今ではアプスにある祭壇の真下から降りられるようになっている。このマリアに捧げられた地下聖堂は3ベイでできた列柱群でできた、この教会での一番の見せ場だが、イスラム空間を連想する。

道を横切るとモデルニスモの墓地がある。大きな岩がごろごろしていてその間に墓地を作ったというところだろうか。この建築家は教区教会の建築家としてこれをデザインした。1916年というモデルニスモとしてはかなり晩年の作ということになる。ガウディへの信奉が明らかだが、むしろルビオに近いかもしれない。いずれにしろガウディの先生、しかもサグラダ・ファミリアの建築家となるきっかけを作ってくれたマルトレイの甥に当たる建築家である。中もごろごろした岩を利用してピクチャレスクな背景を作りながら墓を作っている。