グエイ館食堂

主階のパティオ側には5.5メートル幅で20メートルという細長い食堂とダイニングが連練した3つに分節された空間があるが、材料を置き換えているとはいえ、これは明らかにアルハンブラ宮の「裁きの間」をコピーしていると言えよう。暖炉、腰壁が両端のスペースの見せ場だが、両方にステンドグラスがこの館では一番大きい開口に嵌めこまれて、光の入り具合を調整している。一番特異なのは中央の部分で、パラボラ・アーチが再登場し、区切られた更にパティオ側にはソファーが丸く置かれている。つまりこれが裏側のパティオにアーコーブのように張りだしているのだが、それだけではなく天井もこの部分だけは高くなっている。全体はブラインドが付き、さまざまな演出、あるいは必要に応じての光の調整ができるようになっている。

1990年10月撮影


アルハンブラ宮姉妹の間


ステンドで光が調整してあるが、ブラインドはない もともとはカーテンがあったはずだ

暖炉の詳細


中央の部分にはアーコーブがパティオ側に張り出している

ドラゴン

ピーコックいずれもアール・ヌーヴォーらしいモチーフ

またこの階からは裏正面のテラスに出ることができるが、そこに突き出た出窓は今日でいう、ブリーズ・ソレイユでこのアルコーブが開口全面閉じられている。