ロベルト博士のモニュメント

これらのふたつの作品には、ガウディの成熟期の前兆のようなものがはっきりと現れている。ガウディは既にこのとき、コロニア・グエイ教会という途方もない計画をスタートさせており、グエイ公園は既に着工されており、カサ・バトリョの建設を始めようとしているのだ。
あるいはここでもうひとつの作品を加えておくべきかもしれない,それは"ロベルト博士のモニュメント"(1904〜10年)である。しかしながら今のところこれには多くの謎が含まれている。ただし、彫刻家の名前だけは分かつている。リモーナ(Josep Limona, 1864〜1934年)である。リモーナは疑いなくモデルニスモ期を代表する彫刻家であり、市内のパブリック・スペースにもかなりの作品を残している。またガウディの友人であり,共に芸術サ—クル"サン・ユック"Circle Artistic de San Lluc”を形成していた人物である。このモニュメントの人物はバルセ口ーナの市長であり,医学者、政治家であるロベルト博士(Doctor Bartolomé Robert, 1842〜1902年)に棒げられたもので、かっての国会での仲間ドメネク・イ・モンタネルによってこの建設が提案され、彼によって計画は進められ、当時の新間に雑誌にその模型まで発表されたのであるが"完成されたモニュメントはそれとまったく違ったものとなったばかりか、彫刻家リモーナの友人のスタイル、つまりガウディのその頃のそれに酷似しているのである。しかしガウディの名はどこにも出てこない。時にモニュメントの建設に尽力したということでデメネク・イ・モンタネールとの共作とされていることすらある。


ロベルト博士のモニュメント


これはラ・ペドレラとしか言いようがない


もともとは大学前広場という町の真ん中に設置されていたのだが、地下鉄が真下を通るということで解体され、1988年になってテトゥアン広場に移されているのでこの彫刻は再び見ることができます
以上2011年10月4日撮影

Circle Artistic de San Lluc
http://www.santlluc.cat/