図版4—La Sagrada Familia

サグラダ・ファミリア教会、御誕生の門部分。
1883午11月3 日、ガウディはサグラダ・ファミリア教会の建築家として正式に任命される。この年には、近代建築や芸術運動に多大な影響を与えたバウハウスを興したグロピウスが生れてている。ガウディがひょっとしてこのサグラダ・ファミリア教会建築家として任命されていなかったら、彼もまたグロピウスやル・コルビュジェのような機能・合理主義建築家として活躍していったのかも知れない。しかしその場合、百年後の遠い国日本でのガウディへの関心は、まったく違うものとなっていたはずだ。
《御誕生の門、御死去(受難)の門、御栄光の門という3つの玄関を待つサグラダ・ファミリア教会のうち,ガウディが直接建設に携わったのは御誕生の門のみ。彫刻群が建築にまつわりつき、建築全体が彫刻としてまとまっている。右下の3体の彫刻は、日本人彫刻家外尾悦郎力の刻んだものだが、ガウディですらそんなことは想像もしなかったことだろう。》

名古屋デザイン博
「ガウディの城」展カタログ
写真解説より
1989年刊行