図版21 22, 23, 24, 25 Casa Batlló

図版21,22  Casa Batlló
カサ・バトリョ、正面ファサード
ファサードの壁面はゆるい波が打ち、これいっぱいに青、緑、赤茶、白、グレイといった色のセラミックが はられている。これはカタロニア地方で伝統的に使われたトレ力ンデイスという工法で、屑やかけらを集め、微妙なテクスチヤ一を出すことができるばかりか'、建設コストの軽減にもなる。さらに2種類の大きさの円盤状のタイルがその上にはり付いて、一種独特なファサードができている。


図版23 Casa Batlló
ファサードをドから、夜間照明に浮いたところを少し離れた場所から見るとき、ガウディの建築は、似たりよったりの表情しか見せない無表情な近代機能主義建築とちがって、豊かな自己主張を持っていることが分かる。》

図版24,25  Casa Batlló
カサ・バトリヨ、主階サロン。
平坦であったファサードにうねりを与え、內部はさらに角がえぐられ、天井には渦が巻いている。この家では家具さえ回凸がある。1904〜06年建設のこの住宅は、カサ・ミラと並び、ガウディの成熟期の代表作である。
《現在は保険会社の会識室として使われているが、当初はバトリョ家のサロンとなっていて、家具式の祭壇が右手におかれていた。また改装されて原形をとどめないが、パティオ(中庭)側にあったダイニングリレームのために、数点の家具をガウディがデザインしている。》


名古屋デザイン博

「ガウディの城」展カタログ

写真解説より

1989年刊行

後記