4/5 サグラダ・ファミリア教会付属学校

サグラダ・ファミリア教会主正面ファサードの建設が予定されているところに1909年、ガウディによって小さな建物がつくられた。それはこの教会建設資金を捻出するために教育施設を建てた。これは平家,れんが打放しという質素な仮設建造物である。典型的ブルジュア建築であるラ・ベドレラと同じ時期の建設であり、それには200万ペセタを投じたというにもかかわらず、こちらの方は4000ぺセタというコストである。しかしこの経済的制約が逆に、例のない、まったくの新しい構造体を生んだのであった。
それはH型鋼で、楝木が長辺方向に掛けられ、そこに短辺いっぱいの長さの木製の垂木が渡されているというもので、棟木は何点かやはりH型鋼で支えられ、また垂木は長さに幾つかのバリエーションが 与えられ、 同時に棟木との交点を支点として末端のレベルにも丁度軒線が曲線を描くようにバリエーションが与えられている。これに直接素焼きの平れんがが膜をつくるように張られているため、
すべてが直線材で構成されているにもかかわらず、波打った曲面を持つことになるのである。これは
実用的にはカタロニアでろく屋根の場合に用いられていた二重屋根の方法による雨仕舞が予算の上から不要であったため、一種の眭屋根でありながら、この波打った曲面が水切りを解决しているのである。