マジョルカ島パルマの身廊


スペインのカテドラル始め規模の大きな教会の多くは身廊部の交差廊手前の外陣に僧席を設けるのが常である。ブルゴス、トレド始め、もと透明感のあるレオンのカテドラルですら僧席が置かれている。この場合正面から入った時アプス部にある最大祭壇が見えない。これは広大なゴシックの身廊の内部空間の流れを見せなくなっている。つまり、正面から入り、交差廊上にあるキューポラからのトップライト、キューポラがない場合でも交差廊袖から入る光が空間上の節を作って演出されている。これが典礼式の関係から最大祭壇に向かい合うように僧席が設けられた。これによってミサへの一般参加者は側廊でミサを聞かなければならないことになった。
これをガウディはもともとの姿に戻したのだった。しかもカタロニア・ゴシックは非常に透明感のある空間で、連続した外壁の柱がむき出しに並び、側廊を作る柱も連続した無機物空間を作っている。更に最大祭壇の奥とアプスの外壁には周歩廊があるが、この部分も壁はなく柱で区切られていて、奥行きを作り、透明感を増している。

これはバルセロナ市内のサンタ・マリア・デル・マルでも近年この手の改装(ガウディは修復と呼んでいる)がされた。

レオンのカテドラルは次にあります。
http://d.hatena.ne.jp/Arquitecto/20111109/1320815664

サンタ・マリア・デル・マルの教会は次にあります。
http://d.hatena.ne.jp/Arquitecto/20111204