地下聖堂

完成された地下聖堂は、傾斜面を利用し、さらに空堀の設置により半地下化し、内部には窓からのかなりの光量が入るようになっている。その窓は上部が鋭角、下部が丸い三角形で、いかにも小烏が口を開けているかのようで、その上端にはモザイクで十字が刻まれている。その窓は同時に十字をあしらった鉄細工にガラスがはめられているが、ガウディの構想であった色ガラスが入る前に試作としてペンキが塗られたガラスが入れられていたが、現在ではそれに色ガラスが入っている。またそれを保護するネットが窓全体を覆っているが、それはグエイの工場で不用になった繊維機械の部品を再利用したものである。また、この窓の一部は換気のために開閉できるようになっているが、開けられると蝶が羽ばたいたような形になる。
空堀に囲まれた外壁は内側に傾斜し、れんがを主体としているものの、それに混ざって小つぶの石、そして鉱滓などがテクスチャーを豊かにするために混入されている。それらはほとんどランダムとでもいえる中に配置され、ベジェスグアルド邸の手法を想起させる。ところが窓の窪みのある部分だけはセラミックが張られて、湿気に対して、保護をしようとしているが、これはサグラダ・ファミリア教会の御誕生の門の窪みにも応用されるはずであった。