モザラベの建築風景 Vol.3

サン・ミジヤン・デ・コゴージャSan Millan de Cogolla
ログローニョ近郊/ 929年/サン・ミジャンは6世紀にこの地方で隠遁生活をおくった聖者で、10世紀に入ってこの地にサンチョ ,アパルカによって一つの教会堂が奉納される。最も古い部分と考えられているのが現在、側廊の礼拝堂となっている岩をくり抜いた部分。これを中心にして屋根が架けられていったようで、ブランはイレギュラーこのうえない。最も興味深いのは、内陣の二つの礼拝堂で
この天井にリブ・ヴォールトが使われている。これが後にヨーロッパ中世のゴシック教会のリブ・ヴォールトに発展応用されるという学説があり、それならばコルドバのオリエントと中欧のゴシックを結びつけたのはまさしくスペインのモサラベ建築ということになる。

中部建築ジャーナル1985年12月号より