第一章

サグラダ・ファミリア教会

ガウディの作品の中でも特によく知られているのがサグラダ・ファミリア教会。タケシのテレビ番組で取材され、H.I.S.のスペイン・ツアーの新聞広告には必ずといっていいほど出てくるのが、この教会である。一三〇年前から着工され 、今も建設が続いていることは日本では誰でも知っている。
スペインでも一九八八年ソウル・オリンピックの閉会式の時、次期のバルセロナで予定されていたオリンピックを告げる時のデモンストレーションで、街を直ぐにもイメージするモニュメントとしてこのサグラダ・ファミリア教会が使われた。現在では世界中で開かれるメッセでもスペイン企業が参加すると、必ずといっていいほどガウディの建築がスペイン国旗ほどの使われ方をしている。特にこのサグラダ・ファミリアの写真が大々的に使われる。しかしユネスコ世界遺産には部分登録しかされていない。
なぜだろうか。とにかくガウディ・マニアではなくともサグラダ・ファミリアの建設の進行状況、存在は気になるらしい。確かにカトリックならずとも信仰心の薄くなったこの現代で宗教建築を綿々と造っているというのはロマンがある。だが、なにが他にも理由があるのだろうか。


闘牛、ドン・キホーテそしてサグラダ・ファミリアがスペインを代表するのだろうか